こんにちは!事務局です!
「2024年問題」、最近ほんとによく聞く言葉です。
そもそも「20XX問題」という言葉が多いですよね。
問題が山積みでいったいなんの問題を言っているのかわからなくなります。
今回は「働き方改革」の問題です。
18年に成立した「働き方改革関連法」は時間外労働の上限を規制するものです。
しかし、運送業など自動車運転者は明らかに他の業種より長時間労働なので、「2024年3月まではいいですよ」という猶予期間が与えられました。一方で猶予期間中の「改善基準告示」の見直しが決議されました。
「改善基準告示」ってまた難しい言葉ですよね。
これ自体は1989年からありまして、自動車運転者の労働条件をよくしましょうという狙いの下、2回ほど改正されて告示されてきました。(「告示」とは国や県がこう決めましたよ!というお知らせ)
現行のものは1997年4月1日から適用されたものです。
確かに時代にそぐわないようにも感じますよね。香港がイギリスから中国に返還され、たまごっちが流行っていたのが1997年ですからね。
それは今の若い担い手と90年代働いていた年代では、価値観も求めるものも大きく違いますよね。
ちなみに2022年12月に告示予定となっています。バス、ハイヤー、タクシーは内容が決まったとのことですが、トラック業界は労使の溝が埋まらず、双方の主張が平行線をたどっている状態だそうです。
労働者側の主張は「年3300時間」に対し、使用者側は休日出勤を加えた「年3408時間」を提案している。
宿泊を伴運行の場合現行の最大16時間を「18時間」まで拡大し、この場合は休息時間を「11時間」とすると主張。
運転時間に関しては、業務簡素化の観点から「不要」とし、連続運転時間は現行の「4時間」から「5時間」に延長を求めているとのことです。
あれ?逆に長くなってないか?と新聞を読んで思ってしまいましたが、それぞれの立場で意見の相違が収集つかなくなっているのでしょう。これらは「労使の溝」と一言でくくれるものでもないと思います。
どの使用者側も安全な運行をしてもらいたいと強く思っているでしょうし、ドライバーも休みがほしいという人もいれば、もっとたくさん稼ぎたいという人もいるでしょう。権利を守りたいのに守れなかったり、現場単位の悩みはいろいろなケースがあります。
時間外労働が悪いということではなく、度を過ぎたものや本人の意思に反したものが正されるべきですよね。安全を損なうのももちろんのことですが。
使用者としたら、労働者の生活を守るのも大きな責任ですからね。給料を下げずに、働かせてやりたいと思うのは当然のことです。労働時間を少なくする義務があるならば、単価アップしか方法はありません。すると今度は依頼している荷主様側の理解をいただけるかという話になってきます。運賃を高く設定すれば、依頼する側としては自然の流れとして安い運送業者に変えてしまうことも考えられます。告示を守らず、時間外労働の多い会社に仕事が回って、まじめに取り組む業者が痛い目を見るという不条理も起こりえます。交渉をどこにもっていくか、従業員にどこで納得してもらうか。現場単位でいろんな対応が必要になってきます。
告示を決める会議で議論が定まらないのもわかりますが、実際の現場で起こりうる問題をたくさん挙げて、きちっと考慮したうえで最善の方法を議論してもらいたいですよね。現場ファーストで決めてもらいたい。
時代が変わって、働き方も変わるのは当然のことだと思いますが、物流はすべての経済活動の土台であり、最も必要不可欠な仕事だと思います。そのドライバーがプライドと希望をもって働くことのできる環境と制度作りをしていってもらいたいです。
以上、事務局でした。